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<vol.88> 薩摩地鶏とワイン

「薩摩じゃ、鶏は野菜ごわす」。これは司馬遼太郎『翔ぶが如く』第1巻の中で、西郷隆盛が木戸孝允(桂小五郎)と薩摩汁を囲みながら交わす会話の一節だ。薩摩汁とは、薩摩地鶏を大根、サツマイモ、ゴボウ、ニンジン、コンニャク、ネギなどと一緒に味噌で煮込...
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<vol.87> お好み焼きとワイン

英国オックスフォード大学が刊行する「オックスフォード英語辞典」(Oxford English Dictionary)とは、世界でもっとも権威ある英語辞書として知られる。この辞書の2024年版から、【okonomiyaki】という単語が新たに...
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<vol.86> 深夜特急とワイン

沢木耕太郎『深夜特急』と言えば“旅人のバイブル”として知られ、現在も世代を超えて読み継がれている紀行文学の最高傑作のひとつだ。香港から始まり最終地点のロンドンまで、ユーラシア大陸2万キロを一年がかりで横断するという、壮大なノンフィクション作...
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<vol.85> お番菜とワイン

“おばんざい”という言葉を初めて知ったのは、20年以上前の京都でのことだ。当時勤めていた会社の研修所が琵琶湖の西岸・JR湖西線「近江高島」という駅から、さらにバスに乗り換えて奥に入った閑静な山里にあったのだが、札幌からだと乗り継ぎのタイミン...
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<vol.84> 油揚げとワイン

なぜか昔から、「油揚げ」が好きである。ご飯に味噌汁は欠かせないが、「豆腐と油揚げの味噌汁」であれば、もう言うことはない。汁物はもちろんのこと、煮物、焼き物、おでん、稲荷寿司、炊き込みご飯など、油揚げはさまざまな和食の常用素材だ。ワインのつま...
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<vol.83> 焼き鳥とワイン

先日、筆者が毎週ワインを購入している、酒本商店主催のワイン会があった。会場は、札幌ススキノの「バードウォッチング」という“フレンチ&焼き鳥”の店であった。近年、昔ながらの焼き鳥店とは異なる、新しいスタイルを打ち出した洒落た感じの焼き鳥店が増...
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<vol.82> 出島とワイン

先日放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう』の中で、生田斗真扮する一橋治済がワインを飲むシーンがあった。それを観た当ブログの読者の方から、飲んでいたのは赤ワインだったが、この時代に白ワインはあったのだろうか?という質問をいただいた。今回は、そ...
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<vol.81> 正倉院とワイン

奈良・東大寺の「正倉院」といえば、平城京時代の聖武天皇・光明皇后ゆかりの貴重な美術工芸品を数多く収蔵した建物だ。中国(唐)はもちろん、遙か遠く西域のペルシャからの交易品も多いことから、「シルクロードの東の終着点」と呼ばれていると、かつて日本...
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<vol.80> 柴漬けとワイン

ご飯のお伴に、柴漬けを食べることが多い。そのため、冷蔵庫には切らさず常備している。あるときワインのつまみが何もないので、柴漬けをつまみにしてみたら意外とイケることに気づいたのだ。以前に<vol.49>では梅とワインの相性についてふれたが、柴...
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<vol.79> 会議とワイン

「会議は踊る、されど進まず」という言葉がある。ナポレオン戦争後のヨーロッパの秩序回復と領土分割を目的に、1814年にオーストリア帝国の首都ウィーンで開催された「ウィーン会議」を揶揄したものだ。世界史の授業で一応習ったが、まさかこれにワインが...